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国立大学法人群馬大学 大学院医学系研究科 医学部医学科
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Ai(オートプシー・イメージング)センター

Ai(オートプシー・イメージング)センター

群馬大学附属病院新中央診療棟の建設に伴って、最新鋭の診断機器が導入される運びとなり、従来使用されてきたエックス線CTが余剰のため、廃棄処分されることとなりました。しかし、「まだ十分に使えるCTがもったいない」という素直な想いがありました。その一方で、エックス線CTを用いて解剖献体を断層撮影し、その画像イメージを見ながら、同一献体の解剖を行うといった、新しい解剖学実習を実施してみたいとの希望もありました。さらに、海堂尊氏の著書「死因不明社会」で指摘されている、死因究明に対する社会的な要求の増大もありました。

以上のような背景を踏まえ、オートプシー・イメージングセンター(以下、Aiセンター)が医学系研究科に設置される運びとなり、1列ヘリカルCT(東芝社製Asteion/KG)を使用して、平成20年(2008年)10月から運用が開始されました。Aiセンターは附属病院画像診断部と放射線部の協力のもとCT撮影と読影が行われています。平成20年度の撮影件数は47体(うち解剖学教育関係は15体)、令和2年度の撮影件数は445体(うち解剖学教育関係は44体)となりました。その間、文部科学省平成21年度大学教育・学生支援推進事業大学教育推進プログラム「人体解剖とCTの統合による先駆的医学教育」が採択され、PACSシステムが導入され、サーバーへの画像の蓄積及び専用回線を用いた解剖学教室・法医学教室・附属病院画像診療部での画像閲覧が可能となり、CT機器が4列ヘリカルCT (東芝社製Asteion/TSX-021B/4A)へと更新されました。さらにCT機器は平成28年3月には16列ヘリカルCT (東芝社製Alexion/TSX-034A)へと更新されています。

法医解剖においては、死後画像検査の導入により、以前は診断困難であった気胸、空気塞栓、脊椎骨折等の診断が可能となり、画像情報を利用することにより解剖の効率化が図られ、精度を増した死因検索が可能となっています。また、死後画像から構築された3Dイメージは裁判員裁判資料として活用されています。このように法医学においては、古典的な解剖手技に死後画像CT検査を加えた統合型の死因検索を実践し、解剖検査を深化・高度化できたと自負しています。

上述のように、Aiセンターの業務内容は医学教育から社会貢献と幅広く、また、死後画像検査の導入は法医解剖と解剖学教育において明らかに有効でした。この取り組みは群馬大学において全医学部的な支援を得て実施されていますが、これが他の大学におけるAiセンターとの相違点であり、当Aiセンターが成功している理由のひとつであると言えます。今後もこの運動、Aiセンターが継続されることを希望しています。

Ai(オートプシー・イメージング)センター センター長(兼)法医学教授
小湊 慶彦

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