
群馬大学医学部は、常に先進の医学領域とコミットし、新しい試みに積極的です。
そのいくつかを紹介します。
世界最先端のがん治療装置
2010年3月に国内の大学では初めて群馬大学で始まり、国内外から大きな注目を集めている最先端の治療法が、
がんを「切らずに治す」重粒子線治療です。
重粒子線治療の特徴は、①炭素イオン等を高速に加速して病巣を狙うため、がんに対する線量集中性が極めて
優れていること、②一般に使われるX線やγ線に比べてがん細胞を殺傷する力が強いこと、③照射の精度が高く、
がん細胞周囲の健常臓器の機能を温存できることなどが上げられます。
ここ群馬大学で世界最先端のがん治療である重粒子線治療がスタートしたのは、放射線治療研究が全国でも
屈指のレベルにあり人材が豊かだったことが大きな要因の一つです。
現在、日本原子力研究開発機構・高崎量子応用研究所、宇宙航空研究開発機構とも協力して、1mm程度の微小病変に
対して高精度照射を行う革新的な治療システムの研究開発を進めています。
同時に、米国のマサチューセッツ総合病院(ハーバード大学医学部の教育病院)やメイヨークリニック、
ドイツ国立重イオン研究所と学術交流協定を結ぶなど国際的研究拠点の形成にも努めています。
また、国際原子力機関(IAEA)のアジア地域保健医療領域の事務局も設置されるなど、放射線治療のトップランナーとして
国際貢献を推進しています。
http://heavy-ion.showa.gunma-u.ac.jp/
国際的に卓越した教育研究拠点形成に向けた重点的支援プログラム
生命科学の研究と教育の国際的拠点形成を目指す国家プロジェクトとして、文部科学省は、2002年から5年間、
21世紀COEプログラム、2007年からはグローバルCOEプログラムとして日本における卓越した研究教育機関の選択と
育成を図っています。群馬大学では生体調節研究所が中心となって申請したグローバルCOEプログラム
「生体調節シグナルの統合的研究」が、多数の応募課題の中から厳しい審査を受け、見事に採択されました。
このプログラムは中間報告で「A」評価を受けた21世紀COEプログラムとして採択されていた群馬大学の
「生体情報の受容伝達と機能発現」と秋田大学の「細胞の運命決定制御」が基になっています。
今回のグローバルCOEではこれまでほとんど前例を見ない地方大学間の強固な連携研究体制をとり、
それぞれの大学が誇る世界水準の研究・教育を飛躍的に発展させる仕組みを構築しています。競争的な環境におかれた
日本の大学が進むべきモデルとして全国から注目を集めています。個性豊かな2つの大学の連携により、日本はもとより、
世界に通ずる優れた研究成果を発信し、次世代をリードする研究者の養成を可能にしています。生体調節の根幹をなす、
神経系、内分泌系、免疫系分野の優れた若手研究者が集まり、まさに最先端の拠点が形成されつつあります。
http://www.imcr.gunma-u.ac.jp/gcoe/index_i.html
人体構造の3次元理解と画像診断能力育成教育の質的改革を目指す
文部科学省は、全国の大学の教育向上の取り組みのうち優れたものを重点的に支援しています。
本学の「人体解剖とCTの統合による先駆的医学教育」もその一つで、先端医療に即応できる、
人体構造の3次元的理解のための解剖学と画像診断学の統合に取り組んでいます。
解剖に用いるご遺体をあらかじめCT撮影(生前に任意で許可をいただいた方のみ)し、解剖実習のときに
履修学生がそのCT画像と実物を対応付けながら、立体的・多角的に解剖を進めます。
CT画像の参照はiPod
touchを使用しますので、手軽に画像と実際の解剖体とを対応できます。
解剖学に続く、後の教科でも引き続き医療用画像を活用し、人体構造理解の強化・深化を図ります。
より実践的な学生支援を目指す
医学科では入学者全員に対してそれぞれチューターとしての教授を指定し、卒業までいろいろな問題について
きめ細かい個人指導を行っています。しかし、5年生からの臨床実習が始まると学生は多忙になり、
また新しい悩みや問題がでてきます。 そこで臨床実習に関連した指導を行うため、平成20年よりCS(クラークシップ)
チューター制度を発足しました。担当は従来のチューターに加えて、臨床実習で実際の指導医となる准教授、
講師層を中心に人員を配置し、さまざまな相談に応じたり、あるいは学外実習施設選定の助言をしたり、
できるだけ実践的な学生支援を目指しています。 この制度は、概ね双方に好評で、「教授のチューターより親近感が
あり、細かい点も気軽に相談できて良い」といった意見も聞かれます。今後も、学生がより充実した臨床実習を
学修できるように支援していきます。
がんを総合的・横断的に診療できる医療人育成
がんは我が国の死亡率第1位の疾患ですが、がんを総合的・横断的に診療できる医療人は少ないとされ、
わが国のがん医療体制の大きな問題となっています。がん治療には、薬物療法、手術療法、放射線療法、
緩和医療など多面的なアプローチが必要です。また、がん診療は医師だけでは完結せず、がん医療に習熟した看護師、
薬剤師、その他の医療技術者の参画による高度のチーム医療が欠かません。
「北関東域連携がん先進医療人材育成プラン」とは、こうした観点から、群馬大学及び獨協医科大学の連携のもとに、
地域におけるがん医療を担う人材を育成するための教育プログラムです。 医学科を卒業した方が進学する
大学院医科学専攻においては、がん薬物療法専門医と放射線腫瘍専門医養成のための特別コースが設置され、
がんに関する基礎研究を行いながら、高度ながん診療能力を身につけ、専門医資格を無理なく取得できるよう
プログラムが組まれています。平成22年3月から群馬大学で始まる重粒子線治療を担う医療人の育成も本プランの
主目的の一つです。
http://gakumu.dept.med.gunma-u.ac.jp/ganpro/
大学病院が緊密に連携・協力し、得意分野による相互補完を図る
国公私立大学病院から申請されたプログラムの中から、文部科学省は、質の高い専門医及び臨床研究者を
養成し得る内容を有するプログラムに対し財政支援を行うことにより、大学病院及び地域の医療の活性化を促進し、
将来の医療を担う医師養成の推進を図っています。
群馬大学では、信州大学、獨協医科大学、日本大学及び埼玉医科大学並びに各大学病院の関連病院が連携する
プログラムを構築し、採択されました。このプログラムでは、大学病院が緊密に連携・協力し、
それぞれの得意分野による相互補完を図り、各病院(地域における関連医療機関を含む)を循環しながら修練や
幅広い経験を積むことができる医師キャリア形成システムを構築しました。 大学病院の若手医師に多様な
キャリアパスを明確に示すことにより、若手医師が将来に希望を持ちながら安心して研修に専念でき、国民の
要請に応えられる質の高い専門医や臨床研究者の養成に資するとともに研修中及び研修修了後により多くの
医師が地域医療に貢献することを目的としています。
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