群馬大学 大学院医学系研究科 医学部 医学科

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学科長に聞く

「科学的知能・倫理観・医療技術」バランスのとれた医師、研究者、教育者の育成をめざして
医学部医学科長
石崎 泰樹YASUKI ISHIZAKI

 

 

群馬大学医学部には、医学科と保健学科の二つの学科があります。医学部の前身の前橋医学専門学校は昭和18年に設置され、昭和24年に群馬大学医学部となりました。平成8年に保健学科が設置され2学科体制となりました。平成15年に医学科は改組により大学院部局化されて、医学科の教員は大学院に属することになり、医学部医学科の学部教育を兼任として担当することになりました。医学部医学科は、群馬県を中心に埼玉県、長野県、栃木県などにおける医学教育・研究及び医療の拠点として活動し、約5,500名の医師、医学研究者、医学教育者、医療行政担当者等を世に送り出し、社会に貢献してきました。

医学科では、1) 高い倫理観を持ち医療チームから信頼される医師、2) 広い医学知識と高い臨床能力をもち、生涯学び続けることのできる医師、3) 高度な研究を推進しその成果を社会に還元できる医学研究者・教育者、4) 広い視野をもつ医療行政担当者の育成を目指しています。そのために、1) 医師としてふさわしい人格や倫理性、コミュニケーション能力を備えている人、2) 総合的な基礎学力や学習能力を備えている人、3) 医学研究・教育、医療行政を指向する人、4) 地域医療に貢献する強い志をもっている人、このような人の入学を望んでいます。

医学科では、多様な医師・医学研究者、医療関係者を育成するために、入学試験制度の改革を率先して行ってきました。現在では、推薦入学試験、一般入学試験(前期と後期)、2年次編入学試験(平成22年度より3年次「学士」編入学から変更)を実施し、それぞれに定員を割当てて学生を受入れています。医師不足等に対応するため、平成21年度以降で合計23名の入学定員を増加しました。また、群馬県内の医師不足に対して、群馬県と連携して奨学金制度のある地域医療枠を設けて、群馬県の医療を担う意欲のある学生を募集しています。

医学部医学科および大学院医学系研究科医科学専攻では、Science (科学的知識・能力)、Ethics (倫理感と社会貢献)、Skill (医療技術と研究技術)の頭文字S E S を共通のスローガンに掲げ、これらのバランスのとれた臨床医ならびに研究者の育成をめざし、学部や大学院のカリキュラムの改革を行ってきました。医学科の学部教育では、医療の現場を早期に体験すること、自分で学習しながら問題を解決する能力を培うこと、医療チームの一員として患者さんの診療を体験することなど、参加型の教育に重点を置いて、教育システムを改革してきました。すなわち、1年次と2年次の医学部附属病院での病棟実習や地域の老人保健施設における介護実習、2年次にチューターの指導のもとに論文を作成する医学論文作成チュートリアル、3年次に研究室で医学・生命科学関連の実験を体験する選択基礎医学実習、4年次に実際の患者さんのモデル症例を通して診断過程を学習する少人数制のチュートリアル教育、5年次と6年次に行われる医学部附属病院・関連病院の各科での臨床実習(参加型の臨床実習に力を入れたクリニカルクラークシップ)などが行われています。また、MD- PhDコースを設置し、医学研究に興味をもつ学生が早期に大学院教育を受け、通常より短期間で医学博士の学位を得ることを可能にしています。

医学科のある昭和キャンパスでは、基礎研究棟、臨床研究棟、実習棟、共用棟、プロジェクト棟など教育・研究関連の多くの建物が、リニューアルもしくは新築されています。また、医学部附属病院でも、中央診療棟や病棟の新改築がほぼ完了しています。平成18年に完成した石井ホールは、学生の学習や教員との交流の場として利用されています。さらに平成22年3月には、国内の大学に唯一設置された重粒子線治療施設である重粒子線医学センターで、がん治療が始まりました。このように昭和キャンパスでは、整備されたハードウエアを用いて医学教育・医学研究が推進されています。